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竹山馳駆太郎日記
オヤディな日々
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夏・夏夏子の思い出
osoranomukouni

母に会った。
子供たちの夏休みの話から、
海の思い出となった。

九十九里の海を見て心躍ることはなかったか。

灯油臭い外房線を担ぎ屋さんの煎餅缶に座らせてもらい、
どうしても膝から転げ落ちる駅弁の折詰を、
落とさないうちに食べなければ、と、
必死だった幼稚園のころ。

母はどんな思いで婚家に赴いたのだろうか。
何よりも、母の海はどこか。
ふと知りたくなった。
aguaviva

母はすうっと息を吸い込んで黙った。

「夏、夏、子と書いてね、
 かかかし、というところがあってねぇ」

「汽車で30分くらい、
 子ども同士でお弁当持って行ったの
 それはそれは、いい浜でねぇ」

汽車?子ども同士?

小倉の近く?

「違うわよ、大連、よ」
ほうっと深いため息をついて。

敗戦のあの日以前。
今日のようないい日が明日も続く、
そう信じていた子ども。

夏になったらまたみんなで海に行こうね。
大丈夫、危ないことなどはない。
だって、皆「かかかしの浜」に行くんだもの。

あずまやで着替え、
お弁当を日よけのしたに置いて、
美しい浜を思い切り遊んだ日々。

何も分からなかったろうに、
あの日以来、大連の子どもたちは海を失い、
子ども時代も同時に終わってしまったのだろう。

夏夏子の海。
地図にない国の、終わってしまった夏の思い出である。
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